相続税・贈与税

税金の種類:相続税贈与税とは

相続税…相続を受けた者が払う国税です。

贈与税…贈与を受けた者が払う国税です。

相続税のしくみ

相続税は、相続や遺贈によって取得した財産及び相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産の価額の合計額(債務などの金額を控除し、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を加算します。)が基礎控除額を超える場合にその超える部分(課税遺産総額)に対して、課税されます。 この場合、相続税の申告及び納税が必要となり、その期限は、被相続人の死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。

相続税の納税義務者

相続税がかかる人及び相続税の課税される財産の範囲は、次のようになっています。

相続税のかかる人 課税される財産の範囲
@相続や遺贈で財産をもらった人で、財産をもらったときに日本国内に住所を有している人 もらったすべての財産
A相続や遺贈で財産をもらった人で、財産をもらったときに日本国内に住所を有しない人で次の要件全てにあてはまる人 (1) 財産をもらったときに日本国籍を有している (2) 被相続人又は財産をもらった人が被相続人の死亡の日前5年以内に日本に住所を有したことがある もらったすべての財産
B相続や遺贈で日本国内にある財産をもらった人で日本国内に住所を有しない人(Aに掲げる人を除きます。) 日本国内にある財産
C上記@〜Bのいずれにも該当しない人で贈与により相続時精算課税の適用を受ける財産をもらった人 相続時精算課税の適用を受ける財産

相続:相続税の基礎控除について

莫大な財産を残す人は、相続税を納める羽目になると覚悟していますし、そのための事前対策にも熱心に取り組むようです。 しかし、主な財産は自宅だけといった場合、相続人になったのはいいけれど、相続財産は相続税の納付対象になるのだろうかどうか、と気がかりなものです。
作成した相続財産リストから課税される財産額を算出して、相続税の基礎控除額を差し引いたものが、「課税遺産総額」となります。
相続1回の基礎控除額は、5,000万円で、法定相続人1人当り1,000万円が加算されます。つまり、「子沢山は相続に有利」というわけです。 例えば、課税評価額9,000万円で、配偶者と子3人が相続した場合の課税遺産総額は、下記のようになります。

9,000万円-(5,000万円+1,000万円×4)=0円

このケースでは、課税遺産総額は0円となりますから、相続税の申告は必要ありません。「ふ〜、スレスレで助かった」と喜んでばかりではいけません。課税財産の計上モレがないか、計算の基礎になった評価方法が正しいかを再確認してから、安心してみてください。

相続税の税率

相続税額の算出方法は、各人が相続などで実際にもらった財産に直接税率を乗じるというものではありません。
正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた残りの額を民法に定める相続分によりあん分した額に税率を乗じます。この場合、民法に定める相続分は基礎控除額を計算するときの法定相続人の数に応じた相続分により計算します。
実際の計算に当たっては、民法に定める相続分(法定相続分)によりあん分した額を下表に当てはめて計算し、算出された金額が相続税の基となる税額となります 。

課税標準 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
3億円以下 40% 1,700万円
3億円超 50% 4,700万円

※この速算表で計算した各相続人の税額を合計したものが相続税の総額になります。

相続税がかかる財産

1:相続税が課税される財産

相続税は原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した場合に、その取得した財産にかかります。この場合の財産とは、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます。
なお、次に掲げる財産も相続税の課税対象となります。

1:相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産死亡退職金、被相続人が保険料を負担していた場合の死亡保険金などが、これに相当します。

2:被相続人から死亡前3年以内に贈与により取得した財産
相続や遺贈で財産をもらった人が、被相続人の死亡前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合には、原則としてその財産の贈与された時の価額を相続財産の価額に加算します。

3:相続時精算課税の適用を受ける贈与財産
被相続人から、生前、相続時精算課税の適用を受ける財産を贈与により取得した場合には、その贈与財産の価額(贈与時の価額)を相続財産の価額に加算して相続税額を計算します。

2:相続税が特別に課税される財産

次のものについても、相続若しくは遺贈によって取得したものとして課税されます。

1:農地等の生前一括贈与を受け贈与税の納税猶予の特例を受けていた農地等。

2:相続人がいなかった場合に、民法の定めによって相続財産法人から与えられた財産。

相続税がかからない財産

相続税がかからない財産のうち主なものは次の七つです。

1:墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物。
ただし、骨とう的価値があるなど投資の対象となるものや商品として所有しているものは相続税がかかります。

2:宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人等が相続や遺贈によってもらった財産で公益を目的とする事業に使われることが確実なもの。

3:地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利。

4:相続や遺贈によってもらったとみなされる生命保険金のうち 500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分。

5:相続や遺贈によってもらったとみなされる退職手当金等のうち 500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分。

6:個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産で一定の要件を満たすもの
なお、相続人のいずれかが引き続きその幼稚園を経営することが条件となります。

7:相続や遺贈によってもらった財産で相続税の申告期限までに国又は地方公共団体や特定の公益法人に寄附したもの、あるいは、相続や遺贈によってもらった金銭で、相続税の申告期限までに特定の公益信託の信託財産とするために支出したもの。

贈与税のしくみ

贈与税(ぞうよぜい)は、相手からの贈与によって受け取った財産に課せられる国税であり、相続税を補完することを目的として制定された法律です。
相続税は富の分配という理念に基づき、当事者が死亡後その財産に対してその相続者に課税されます。ところが、死亡する前に全財産を家族に譲渡していたら、死亡してもその相続者に対する「相続税は0円」ということになってしまいます。それを避けるために贈与税が制定されたのです。
そして贈与とは、当事者の一方が、自己の財産を無償で相手方に「あげます」と意思表示し、相手方が「もらいます」と受諾することによって成立します。

ただし、税法上はたとえ売買の形をとっていても、土地を時価より著しく低い価額で買った場合、時価と売買価額との差額部分が贈与とみなされ、贈与税の課税対象とされることがあります。(みなし贈与)

贈与税は相続税の補完税

生前に財産の贈与をすることにより、その分だけ将来の相続財産の減少という効果をもたらすので、贈与による財産の取得に対して贈与税を課すことにより相続税を補完しています。
贈与税は原則として、個人が個人から贈与により取得した財産に課税されます。

贈与税の課税対象

相続税の納税義務と同様に、無制限納税義務者と制限納税義務者の別に課税される財産の範囲が定められています。

1:無制限納税義務者(財産を取得した時において国内に住所を有する者又は日本国籍を有する者で外国に住所を有する者) 贈与により取得した財産全部。

2:制限納税義務者(〔1〕の者以外で財産を取得した時において外国に住所を有する者) 贈与により取得した財産で日本国内に所在するもの。

なお、贈与ではあるが非課税とされるものがあります。
たとえば、扶養義務者からもらう生活費や教育費、その他香典、歳暮、お見舞いなど社会通念上相当と認められるものは贈与税がかかりません。

贈与税の計算方法

贈与税は1年間(1月1日から12月31日まで)にもらった財産の価額の合計額から基礎控除額110万円を引き、その残額に贈与税の税率を掛け、さらに控除額を差し引いた額が納税額です。

贈与税額=(贈与財産の合計額−110万円)×税率−控除額

(例)祖父より現金300万円、義父より有価証券(評価額500万円)をもらった場合

(300万円+500万円−110万円)×40%−125万円=151万円(贈与税額)

贈与税の速算表

税額の求め方=A×B−C

(A)基礎控除後の課税価格 (B)税率 (C)控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超 50% 225万円

申告手続き

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額を、その翌年の2月1日から3月15日までの間に課税価格、贈与税額等を記載した申告書に一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
申告用紙は税務署に備え付けてあり、財産をもらった人がそれぞれ1人ずつ申告することになっています。

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